相変わらずのコロナ禍です。変異株の影響が大きいとはいえ、まさかこんなことになっているなんて少なくとも昨年の今頃は夢にも思っていませんでした。収束に時間がかかるとは思っていても感染者数が10倍以上に増えているなんて…。

そんな状況の中で政府が「出口」を見出しているのがワクチン、その効果の程度や弊害についてはさておくとして、もはや接種そのものが目的化している感もある昨今、風俗業界もそれを取り巻く「騒動」とは決して無縁ではいられません。

ちなみに私個人の話をしますと、モデルナの2度目の接種も終えて、実は丁度本日抗体が完成するらしい「2回目接種の2週間後」を迎えました。マスクの着用すら法的に義務化しないと捗らない国の住人とは違って「これで安心」と思ったりはしませんが、何となく気持ちにゆとりができたような気はします。

そもそもワクチン接種に関してはそれほど積極的な考えは持っていなかった私が区から接種券が届いてすぐに予約を入れたのはやはりこの仕事をしているから、この商売では「安心安全」は売り物になりますし、もっと言えば、私がコロナで倒れては（コロナ禍の状況で最低限の人員で回している）お店の運営も滞ってしまうから、女性たちを含めた他のスタッフの生活にも影響が出てしまうのは本意ではありません。

さて、ここで考を巡らすべきは、自分以外の人員のワクチン接種に関して。「安心安全」が売り物になるのなら、その「安心安全」は多いに越したことはないわけで、商売繁盛を目指して女性たちにも接種を促すのも確かにこのコロナ禍に於ける有効な方策の一つではあると思います。実際、接種済みの女性に「ワクチンマーク」のようなものを付けてそれとわかるようにしているお店もありますし、それが一定の効果を生むであろうことも容易に想像できます。

それでも、そんなことを敢えてしたくないと思うのは、そもそもワクチン接種など個人の自由ですし、ましてやその安全性に疑義が絶えないようなシロモノ、まあ「5G電波がー」とか「イルミナティがー」という人には優しく諭しもするかもしれませんが、健康被害を疑う人に何の根拠も示さずに接種を促したりなどできませんし、その情報を公開することなど以ての外、倫理的道義的にあり得ないと思っています。

さらに言えば、ワクチンマークなどによる情報公開をしたくないのは、むしろそれが一定の効果を生んでしまうから、それが接種者の特権と言われれば確かに否定もできないのですが、そんなことのためにワクチンを打つのは本末転倒ですし、それを理由に（接種否定者の）翻意を促すのなど「汚いやり方」としか思いません。

コロナに罹りたいと思う人などどこにもいませんし、感染者からサービスを受けたいと思う人も当然いないでしょう。「コロナに罹らない」という全人類共通の絶対的に正しい「目的」のための選択可能な「手段」の一つが「ワクチン接種」というだけの話、私たち風俗業界が目指すべきはその目的の実現であって、特定の手段の強要や示唆ではありませんし、その手段を講じた者への優遇措置でもないと思います。

ただ、それを率先して実行する同業者があっても別に非難もしませんし、それもまた自由だと思っています。

某居酒屋チェーンが接種済みの店員に「安全マーク」を付けることを検討しているらしいのですが、そのグループが合理性を履き違えた「ブラック」だというのは誰しもが知るところ、同じ思考ではありたくないなと願う本日この頃です。

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